コラム

2017.05.31

アレルゲン舌下免疫療法

最近、スギ花粉症やダニによるアレルギー性鼻炎に対するアレルゲン舌下免疫療法が注目されています。

現在、アレルギーに対する薬による治療法は、対症療法(症状をおさえるための治療)が中心で、治療薬がなくなると、症状は、ぶり返してしまいます。また、アレルギーに対する薬には眠気という副作用があり、生活の質を落とす要因になっていました。

これに対し、アレルゲン免疫療法は、アレルギーの原因(アレルゲン)に対する個人の持つ過敏性を、自分の免疫で抑制していく、発症しないように変えていくという根本的な治療法です。アレルゲン免疫療法は、100年以上も前から行われている治療法です。アレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する皮下免疫療法が主に行われてきましたが、近年では治療薬を舌の下に投与する舌下免疫療法が登場し、眠気もなく自宅で服用できるようになりました。

1日1回、少量の治療薬から服用をはじめ、その後、決められた一定量を数年間(推奨3年間)にわたり継続して服用します。初めての服用は、副作用が出ないか観察するため院内で行い、2日目からは自宅で服用します。

長期にわたり正しく治療が行われると、鼻水・鼻づまり・くしゃみ・目のかゆみ・涙目などの症状をおさえる効果が期待できます。症状が完全におさえられない場合でも、症状をやわらげ、通常のアレルギー治療薬の減量が期待できます。

アレルゲン舌下免疫療法は、スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎と診断された12歳以上の患者様が受けることができます。